頻 尿
頻 尿
「頻尿」を我慢していませんか?
頻繁に尿意をもよおし、トイレに駆け込む。夜も何度も尿意で目が覚めてしまう。落ち着かず日常生活に支障が出てしまいますよね!
頻尿とは、排尿の回数が多いことを言います。個人差はありますが、通常起きている間にトイレに行く回数は、平均5~6回といわれています。昼間に8~10回以上、夜寝てから2回以上トイレに行くようでは注意が必要です。
原因として、膀胱炎、尿管結石、男性では前立腺肥大などが考えられます。その他、脳の疾患(脳梗塞、脳出血、脳腫瘍)、精神疾患でも頻尿は起こります。女性では更年期に伴い40代から増加します。多尿の場合、糖尿病や尿崩症など大きな病気の可能性もあります。頻尿だからといって軽く考え、我慢を繰り返すとますます悪化しますので注意しましょう。
頻尿の原因
頻尿の原因は様々ですが、大きくは膀胱の容量の低下(膀胱の過敏性、残尿、排尿障害)、尿量の増加(多尿:尿量が多いこと)と心因性に分けることができます。
【膀胱容量の低下】
膀胱容量の低下は、膀胱が収納できる尿量が少なくなることを意味します(150~200ml以下)。これにより、尿量が変わらない場合でも、膀胱の容量が小さくなるのでトイレに行く回数が増える傾向があります。膀胱容量の減少は、炎症性疾患(膀胱炎など)、過活動膀胱、間質性膀胱炎などによって直接引き起こされる場合と、利用可能な容量が減少する場合があります。後者は前立腺肥大症や神経因性膀胱などに見られます。また、膀胱がんも見逃せない疾患です。膀胱がんは血尿が代表的な症状ですが、頻尿も訴える患者がいるため、頻尿がある場合は膀胱がんの可能性も考慮されます。
【膀胱の過敏性】
膀胱の過敏性が高まると、尿が膀胱に十分に溜まる前に、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮します。これにより急に尿意が出てきて我慢ができず、トイレに何回も行くようになります。一回の排尿量が減少するため頻尿になります。このような状態は過活動膀胱と呼ばれます。
【膀胱内の残尿量の増加と排尿障害】
膀胱内の残尿量が増加すると、膀胱が尿を溜めるスペースが減少し、1回の排尿量が少なくなります。このため、何回もトイレに行くようになります。前立腺肥大症や神経因性膀胱などの疾患が原因で、膀胱の収縮や排尿が妨げられることで膀胱に溜まった尿を十分に出し切れなくなり、排尿の効率が悪くなり何度もトイレに行くようになります。さらに、脳脊髄腫瘍や脳梗塞、多発性硬化症、パーキンソン病などの脳血管障害や、手術や放射線療法を受けたことによる影響もあります。これらの状態では、膀胱が正常に収縮できず、排尿障害と残尿が生じます。
【尿量の増加】
膀胱や尿道に問題がなくても、尿の量が増加すると、排尿回数が増えます。尿量が増加する原因として糖尿病や腎機能の低下などがあります。また、水分の多量摂取や利尿剤の使用、コーヒーやお茶の摂取量も頻尿を引き起こす原因となります。飲水量と排尿量は密接に関連しており、水分摂取が多いとトイレに行く回数も増える傾向があります。
【心因的要因やストレス】
心理的要因やストレスも排尿に影響を与えることがあります。心因性頻尿は、膀胱や尿道の問題はなく、尿量も正常な状態にも関わらず、トイレの頻繁な使用が見られる状態です。緊張やストレスが原因で、トイレの回数が増えることがあります。これは特に緊張する場面で顕著になります。
心因性なので、夜寝てしまえば排尿のことを気にすることはないので、通常夜間の頻尿はないことが多く、また朝起床時の排尿量は正常です
頻尿の原因になる生活習慣や状況
頻尿は体や精神の状態、普段の生活が原因で引き起こされることもあります。
◆水分の摂りすぎ
コーヒーや緑茶、豆乳、ビールといった利尿作用のある飲み物を摂取しすぎると頻尿になることがあります。利尿作用がない飲み物でも、飲みすぎてしまうと尿の量が増えて、頻尿になることがあります。
◆緊張状態
緊張していたり、不安を抱えていたりすると頻尿になることがあります。ただ、この場合の頻尿は誰もが経験することがあるので、特に気にする必要はありません。
◆体温の低下
体が冷えてしまうと、膀胱が刺激されて頻尿になる場合があります。また、冷たい水に触れたり、水が流れる音を聞いたりすると尿意を催すことがあります。
◆加齢に伴う機能の低下
年齢を重ねると、尿を濃縮するホルモンの分泌量が減少したり、膀胱が硬くなってしまったりするので、頻尿になることがあります。尿を濃縮できなくなると、必然的に尿の量が増えてしまいます。また、膀胱が硬くなってしまうと、尿を溜める量が少なくなってしまうのです。
日常生活での予防法
☑トイレに行くのを我慢しないこと
☑抵抗力を落とさないように、ストレスや過労を避け、体を冷やさないこと
☑足腰を鍛えるために、できるだけ身体をよく動かしましょう
頻尿と鍼灸治療
鍼灸治療は、個人の体質・症状を重視して治療をおこないます。体質を改善しながら、排尿にまつわる諸症状を緩和していきます。
鍼灸が頻尿に効果があるとされる理由は、以下の通りです。
<自律神経の調整>
鍼灸は神経系に作用し、自律神経のバランスを調整する効果があります。過活動膀胱のような状態では、交感神経と副交感神経のバランスが崩れていることがあるため、鍼灸によってこのバランスを整えることで頻尿の改善につながります。
<血流改善>
鍼灸は血流を促進する作用があります。膀胱や尿路における血流改善は、組織の健康状態を改善し、尿の排出や膀胱の収縮に良い影響を与えることができます。
<筋肉の緊張緩和>
鍼灸は筋肉の緊張を和らげる効果があります。過活動膀胱や尿路障害による筋肉の緊張が頻尿を引き起こす場合、鍼灸によってこの緊張をほぐすことで頻尿の改善につながります。
<内分泌系の調節>
鍼灸は内分泌系にも影響を与える可能性があります。特定のホルモンのバランスが頻尿に関連している場合、鍼灸によってそのホルモンの調節が行われ、頻尿の改善につながります。
鍼灸療法は個人によって効果は異なります。症状や個人の状態に合わせた治療計画を立てることが重要です。
鍼灸治療は全身症状の改善とともに体力を回復し、気血の循環を良くすること目標としています。
鍼灸治療を受けた患者様の多くは、症状の軽減とともに、とても心地よい気分を体感されています。
ストレスの緩和に最も適した治療法の一つと言えます。
もしあなたがこのような症状に悩まされているなら、ぜひ当院にご相談ください。
私たちは専門的な治療や対処法を提供し、あなたの健康をサポートします。