不眠症とは
ふとんに入っても夜寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまい眠りを維持できない、朝早く目が覚めてそのまま眠れない、眠りが浅く十分眠った感じがしないなどの症状が続いてしまう。
よく眠れないため、日中の眠気、注意力の散漫、疲れや種々の体調不良が起こってしまう。また夜に眠れないのではないかという不安で、また寝つきが悪くなる、という悪循環になります。
不眠は経験した人にしか分からない非常につらい症状です。睡眠には個人差があって、不眠は本人の布団から離れるときの不快感、不満感が問題になるのです。
日本においては約5人に1人が、このような不眠の症状で悩んでいるとされています。不眠症は、小児期や青年期にはまれですが、20~30歳代に始まり加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加します。
また、男性よりも女性に多いといわれています。
不眠症のタイプ
<入眠困難>
床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない。
<中途覚醒>
いったん眠りについても、翌朝起床するまでの間、夜中に何度も目が覚める。
<早朝覚醒>
希望する時刻、あるいは通常の2時間以上前に目が覚め、その後眠れない。
<熟眠障害>
眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない。
なお、これらの症状は同時に複数現れることがあります。
不眠症を引き起こす主な原因
<環境要因>
時差がある場所、枕が変わる、また暑さや騒音、明るさなどの影響など
<身体要因>
年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど
<心の要因>
悩みやイライラ、極度の緊張からの精神的ストレス、睡眠に対するこだわりなど
<生活習慣要因>
アルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足など
日常生活での予防法
・快適な睡眠が得られるように、寝室や寝具に工夫をしましょう。
・カフェイン含有の紅茶、緑茶、コーヒーなどの刺激物は就寝前には避けましょう。アルコールはほどほどに。
・夜間の運動は避け、自分に合った運動を夕方にしましょう。
・就寝前にゆっくり入浴し、心身ともにリラックスしましょう。
鍼灸治療
東洋医学は西洋の睡眠薬のように、1剤で確実に眠れるというものではありません。自律神経の調整を行い、不眠に陥りやすい身体のリズム障害や不調を整え、自然な眠りが訪れるように調節するものです。
虚弱滞体質で貧血があったり、心身が疲れて眠れなかったり、神経が高ぶって眠れない等、さまざま原因でおこります。
鍼灸施術を受けることで、多くの人がリラックス状態に入り、疲れを癒すとともにストレスが軽減されます。ストレスが不眠症の原因の一つであるため、リラクゼーション効果により不眠症の症状が緩和されます。
また、鍼灸が自律神経系に影響を及ぼしますので、不眠症の改善に寄与します。鍼灸は交感神経と副交感神経のバランスを調整し、リラックスを促進するとされています。
不眠症は時折、身体の不快な感覚や痛みによって引き起こされることがあります。鍼灸が痛みを軽減し、筋肉の緊張をほぐすことで、睡眠の質を向上させる可能性があります。
個人個人の体質・症状に応じて治療するのが鍼灸治療です。