頭 痛
頭 痛
頭がズキズキと痛む。頭痛がひどくて、勉強が手に就かない、大事な仕事ができず同僚に迷惑をかけてしまった、家事ができず寝込んでしまい家族に迷惑をかけてしまった、そのような経験はございませんか?
ほとんどの方が頭痛を経験し、実に日本人全体の4人に1人が頭痛を持っていると言われています。
頭痛は痛みだけではなく、不快感や圧迫感も出て、ストレスを感じます。
頭痛持ちの頭痛は慢性頭痛で、これは片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛に分けられます。
痛みが長引いたり、これまで経験のないほどひどい場合は、脳腫瘍、くも膜下出血などの重大な病気の可能性もありますので、医師に早めに診てもらうようにしてください。
片頭痛
片頭痛
片頭痛を引き起こすメカニズム
頭部の血管が拡張し、炎症を起こして痛みが発生するのが片頭痛ですが、原因ははっきりとは解明されていませんが、幾つかの説があります。ここでは一般的によく知られている2つの説をご紹介します。
1.血管説
頭部の血管が拡張することによって頭痛が起こると考える説です。
片頭痛の前兆期には、血小板からのセロトニン(血管を収縮させる作用を持つ)が放出されるため一旦血管が収縮することにより脳血流が低下するため、前兆の症状(目の前がチカチカする、視界が欠ける等)が現れ、頭痛期には時間の経過とともにセロトニンが分解されていき減少することによって一度収縮した血管が逆に拡張するために頭痛が起こるというものです。
2.三叉神経血管説
脳神経の中で最も大きい三叉神経(顔面周辺の感覚をつかさどる)が関与しているという説です。
何らかの刺激によって三叉神経が刺激されることにより、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもつ様々な神経伝達物質が分泌されます。 それらの働きで拡張した血管や、それによって発生した炎症が神経を刺激して痛みが起こるというものです。
片頭痛の症状
片頭痛は、頭の片側または両側が脈打つようにズキンズキンと痛む病気です。 月に1~2度とか、週に1~2度の頻度で発作的に起こるのが特徴で、いったん痛み出すと寝込んでしまう、仕事が手につかないなど、多くの方が日常生活に支障をきたします。
吐き気や嘔吐を伴うことが多く、また普段はなんでもないような光や音に対して過敏になる、といった随伴症状がみられることもあります。 しかし、痛みがおさまると健康な人と全く同じように生活や行動ができますし、片頭痛自体が命にかかわることはありません。
ストレスの影響をうけることで頭痛が起こることがあります。頭痛は数時間程度のこともあれば、3日間くらい続くこともあります。
片頭痛の前兆
片頭痛は、痛みの起こる直前に「前兆」を伴うタイプと、伴わないタイプに分類できます。
最も多い前兆は「閃輝暗点」とよばれる症状で、下記の症状が出ます。
•目の前で光がチカチカする
•視野の一部に歯車のようなギザギザしたものが現れる
•視界が欠ける
一般に5~60分程度続き、それが終わって60分以内に激しい痛みに襲われます。
それ以外の前兆としては、手足がしびれる、しゃべりにくくなる、といった症状などもみられます。 もっとも、前兆を伴わない片頭痛のほうが多く、同じ人でも前兆がいつも現れるわけではありません。
片頭痛の予兆
前兆を伴わない片頭痛でも、「なんとなく頭痛がきそうだ」という漠然とした予感を感じることがあります。
具体的には、
•だるい
•気分がよくない
•イライラする
•食欲が通常以上に出る
•体がむくむ
•甘いものを無性に食べたくなる
•眠気を感じる
といった状態になり、そのあとに頭痛が起こるケースです。
こうした漠然とした症状については「予兆」とよんで、前兆とは区別しています。
緊張性頭痛
緊張性頭痛
緊張型頭痛を引き起こすメカニズム
緊張型頭痛の発生には、身体的・精神的なストレスが複雑に関係していると考えられています。
1.身体的なストレスによる緊張型頭痛
無理な姿勢の維持や長時間のパソコンの使用などによって頭から肩にかけての筋肉が緊張し血流が悪くなると、乳酸などの疲労物質が筋肉にたまり、 これが神経を刺激して痛みを引き起こすと考えられています。
特に、首筋の筋肉が弱い人ほど、頭部をしっかりと支えることができずに頭痛を引き起こしやすい傾向があるようです。
2.精神的なストレスによる緊張型頭痛
身体的なストレスが無くとも、精神的なストレスのみが原因で頭痛を発症するケースもあります。 精神的に緊張した状態が長期間続くと、脳の痛みを調整する部位が機能不全を起こし頭痛を引き起こしてしまうのです。
このような、精神的ストレスを原因とする緊張型頭痛には、生真面目な性格や几帳面さを持った人がかかりやすいと言われています。
緊張型頭痛の症
緊張型頭痛は、にぶい痛みが特徴ですが、我慢できないほどではないのが普通です。 数時間~数日の頭痛が反復性におこる場合と、持続的に毎日のように続く場合があります。首や肩のこりを伴うこともあります。嘔吐を伴うことはありません。
デスクワークなどで長時間座っているような人に多く、効果的に休憩をとるなど、ライフスタイルの改善でよくなることもあります。
群発性頭痛
群発性頭痛
群発性頭痛を引き起こすメカニズム
群発性頭痛の原因については残念ながらまだはっきりとしていません。副交感神経の刺激により、涙が出る、瞳孔が小さくなる、充血・鼻水・発汗といった症状を伴います。
群発性頭痛の症状
群発性頭痛も片頭痛と同様に発作的に起こる頭痛です。年に数回から数年に1回くらいの頻度で起こりますが、一度発症すると1~2ヶ月にわたって、ほとんど毎日、 ほぼ同じ時間帯に激しい頭痛におそわれます。じっとしていられず、転げまわる人もいるほどです。 片側の目の奥が強烈に痛むのが特徴で、同じ側の目や鼻に涙・鼻水・鼻づまりなどの症状が現れます。 発作が起こっている期間にアルコールを飲むと、必ずといっていいほど頭痛発作が起こります。
日常生活での予防法
日常生活での予防法
・緊張している筋肉をほぐすマッサージや、首・肩・腕を回したり曲げたりする運動をしましょう。
・休日等は十分にリラックスしてストレスはためないようにしましょう。
・頭痛が起こったら、痛みを和らげてくれる飲食物を取りましょう。(緑黄色野菜などのマグネシウムやビタミンB2を多く含む食品)
・ゆったりとお風呂につかって血のめぐりを良くしましょう。(片頭痛の方は入浴して温めると血管がさらに拡張して症状が悪化する可能性があります。)
頭痛の原因となっていた生活習慣を改善するだけでよくなることも多いです。普段から生活習慣の改善を心掛けるようにしてください。その上で、一人一人の頭痛の特徴・症状に合わせた鍼灸治療をおこないます。
頭痛と鍼灸治療
頭痛と鍼灸治療
「頭痛」の原因は人によって異なります。同じ症状であっても、同じ原因とは限りません。症状に至るまでの経緯、生活環境、ライフスタイルが違うからです。それぞれの症状や原因に合った治療をすることで改善することができます。
鍼治療は過剰に緊張している筋肉を緩め、鍼の鎮静作用によって炎症を抑えます。また痛みをとる鎮痛作用もあり、鍼の刺激が脳下垂体や副腎皮質などに伝達され、エンドルフィンなどの鎮痛物質を分泌させて痛みを緩和させます。エンドルフィンなどはモルヒネ以上の鎮痛効果があるとも言われています。
筋肉の緊張で起こる頭痛の方には、肩こりや目の疲れなどの症状も同時に治療することで改善することができます。鍼灸により緊張した筋肉を緩め、血流が良くなりますので疲労した筋肉にしっかりと栄養を送ることができ、痛みや疲労の原因となる物質を老廃物として排出されます。
自律神経やホルモンバランスを整えることも重要です。身体全体のバランスを整えることが改善につながります。