ぎっくり腰

ぎっくり腰

ぎっくり腰

ぎっくり腰は急に起こる強い腰の痛みの総称で病名ではありません。
病院などでは『急性腰痛症』や『椎間捻挫』などと診断されることが多いようです。
欧米などではその激しい痛みから『魔女の一撃』と呼ばれています。
「顔を洗おうと中腰になったらギクッときた」や「重いものを無理に持ち上げた瞬間に痛みが走って動けなくなった」などとよく聞きます。
また、なかには咳やくしゃみをしただけでひどいぎっくり腰になった方もいらっしゃいます。
日常生活の何げない動作が誘発して痛みを引き起こしてしまう方が多いようです。
ぎっくり腰は強い痛みのために日常生活に支障が出やすく、ひどい方はその場から動くことができなくなってしまうこともあります。

そもそも突然起こるぎっくり腰に原因なんてあるの?

「重い荷物を無理に持ち上げようとするとなるんだよね。」こういった認識がすでにぎっくり腰の落とし穴と言えます。
ぎっくり腰の原因は日頃の生活の積み重ねに存在しているのです。
主な原因は筋肉の慢性的な疲労です。ぎっくり腰は突然起こりますが、その原因となるものはゆっくりと進行しており、少しずつ溜め込んだ筋肉疲労が許容量を超えると、何げないちょっとした動作が誘発して、いきなり腰痛として発症してしまうのです。
具体的には睡眠や運動不足、栄養バランスの低下などが続くと筋肉に十分な栄養が行き届かなくなってしまいます。
そこに日頃の生活での姿勢や習慣となっている偏った動作の継続、長年の癖などが積み重なって筋肉疲労が徐々に蓄積されていき、やがて腰痛を招いてしまうことになってしまいます。
日常でのストレスも原因の1つでもあります。
日常生活においてストレスがあると、筋肉は緊張してしまうものです。
全身の筋肉が緊張すれば、腰の筋肉も柔軟性が低下して硬くなってしまいます。
そうすると血流も悪くなり、ぎっくり腰を起こしやすい身体になります。

ぎっくり腰と鍼灸治療

鍼灸は「ぎっくり腰」に、とても有効な治療法です。
鍼治療は過剰に緊張している筋肉を緩め、鍼の鎮静作用によって炎症を抑えます。
また血流が良くなりますので疲労した筋肉にしっかりと栄養を送ることができ、痛みや疲労の原因となる物質を老廃物として排出されます。
鍼治療には痛みをとる鎮痛作用もあり、鍼の刺激が脳下垂体や副腎皮質などに伝達され、エンドルフィンなどの鎮痛物質を分泌させて痛みを緩和させます。
エンドルフィンなどはモルヒネ以上の鎮痛効果があるとも言われています。

歩けないほどの痛みを抱えて来院した患者さんが、治療後は、自分で歩いて家まで帰れるようになるということが、よくあるのです。

初期の痛みが良くなっても安心はできません。痛みが軽くなったといって完治する前に治療をやめてしまうと慢性腰痛を患ったり、ぎっくり腰が癖になってしまう場合があります。
一度ぎっくり腰になった方は、前と同じような生活をしていると再発する可能性がありますので、日常での生活習慣の改善や疲労を溜めないように日頃から身体のケアを心がけ、ぎっくり腰を繰り返さないということが大切です。

日常で心掛けること

ぎっくり腰を経験すると、その後の1年間で約1/4の患者さんが再発するといわれています。
再び苦しまないためにも、しっかりと再発防止に取り組むことが大切です。下記のことをおこなうことで再発防止や予防になります。

・無理な姿勢をとらない
腰に負担がかかるような姿勢を避けましょう。代表的には前かがみの姿勢です。

・ストレスを軽減する
ストレスが続くと痛みに敏感になります。音楽や食べ物など、自分の好きなものを生活に取り入れ、 ストレスを軽減しましょう。

・肥満を防ぐ
肥満があると体重が重い分、腰に負担がかかって腰痛が起こりやすくなります。

・適度な運動を行う
痛みがなくなって完治した後に、体を動かすことは、腰をいたわるという意味で効果が期待されます。

・身体のメンテナンスを定期的に行う
定期的に身体のメンテナンスをおこない、筋肉の疲労をリセットして疲労を溜めないことが予防になります。

Go to Top