眼精疲労
眼精疲労
目を通じて得られる情報は80~90%と言われており、目は無意識のうちに酷使されています。またスマートフォンやパソコンの長時間の使用や、ドライアイなどにより、継続的に目が疲れている状態になっている方が多いのではないでしょうか。
どんな病気?
どんな病気?
「疲れ目」と「眼精疲労」は同じもので、言い方が違うだけだと思いがちですが、実は違います。両者の一番の違いは症状の重さです。
「疲れ目」は、一時的な目の疲れのことをいいます。この疲れは睡眠を取るなどの休息によって自然と解消されるため、目の疲れによる身体の各部位への悪影響もありません。一方、「眼精疲労」は、頭痛、眼痛、視力低下、首・肩こり、吐き気、めまいなどの症状が出てしまい、それが慢性的に繰り返されます。生活環境を変えるなど、何らかの改善策をとらない限り症状は治りません。
つまり、疲れ目は「軽度の症状」、眼精疲労は「重度の症状」という違いがあるのです。
睡眠や休養をとることで症状が少し落ち着くことがあっても、一向に改善しない場合は眼精疲労を疑ってみましょう。
眼精疲労の原因
眼精疲労の原因
1.眼による原因
●近視・乱視・老眼
近視、乱視、老眼が進行すると、ピントを合わせるために眼球の内部で水晶体の厚さを調節する筋肉の緊張が続きます。また視力の低下によって目を凝らす、顔を前に出すなどの姿勢が増え、目の疲れや肩こりが生じやすくなります。特に40代半ば過ぎから急速に進む老眼が、眼精疲労の大きな原因となっている場合が多いのも特徴的です。
さらに、度数が合っていない眼鏡やコンタクトレンズをしていると眼精疲労が起きることもあります。定期的に検査を受けて、目に合ったものを使用するようにしましょう。
●ドライアイ
パソコンやスマートフォンなどで目を酷使する方がなりやすい、眼球の表面が乾燥する症状です。目を保護する役割のある涙液の減少や、涙の質が低下することにより、目の表面に傷ができてしまいます。そのため、目の疲れや乾燥以外にも痛みや不快感、まぶしさを感じることがあります。
他にも緑内障や白内障、斜視、斜位、眼瞼下垂など、さまざまな目の病気が眼精疲労の原因になります。
2.身体による原因
風邪やインフルエンザで体力が低下している時も、眼精疲労の症状があらわれる時があります。また虫歯や歯周病、耳や鼻の病気、更年期障害や自律神経失調症、低血糖、糖尿病、脳の障害などの病気も眼精疲労を引き起こします。
3.生活環境
今や私たちの日常に欠かせない存在となったスマホやパソコン。そのため仕事でも私生活でも長時間にわたって目を酷使する機会が増えています。スマホやパソコンの使いすぎによる目の疲れは幅広い世代の人々の間で問題視されています。
また近年では、シックハウス症候群(住居の建材に含まれる化学物質などが原因)が眼精疲労に与える影響も指摘されています。
4.精神的ストレス(自律神経の乱れ)
ストレスが高まると不安感やイライラなどの精神的な影響だけでなく、高血圧や血行不良をはじめとした身体的病気を引き起こします。眼精疲労もその症状のひとつです。
眼精疲労の主な症状
眼精疲労の主な症状
1.目に強い不快感として現れる症状
・目に痛みがある (目の奥が重苦しい・痛い、更にはズキズキと痛む)
・目に乾きを感じる (近年最も増えている症状で、目が乾燥している感じがする)
・目が疲れ易い (目がすぐに疲れ、つらくて長く物を見ていられない)
・目がかすむ、痒みがある、ショボショボする、ゴロゴロする、充血するなど。
・まぶたが重だるい。
2.見え方に現れる症状
・物がかすんで見える。
・視線を動かした時に焦点が合いにくい。
・光過敏となり、いつもと同じ照明が異常に明るく感じたりする。
3.目以外の身体に現れる症状
・頭痛や頭重感がする。
・肩こりや首のこり、首から肩・腕が痛む・だるい、背中に痛み、手指のしびれが起こる。
・吐き気やめまいが起こる。
・胃がもたれる。胃が痛い。食欲不振になる。
4.精神面に現れる症状
・不眠になる。全身に倦怠感がある。
・イライラ感、不安感がでる。
・抑うつ状態になったりする。
眼精疲労と鍼灸治療
眼精疲労と鍼灸治療
眼精疲労の症状では、眼の周りの筋をほぐして、柔軟性を取り戻すこと、血液の循環を良くすることが大切です。また、眼精疲労は、目の疲れがきっかけとなって、様々な辛い症状が身体にまであらわれます。目の働きは、神経によって調節されている為、脳の疲れ、脳の興奮による神経の緊張やストレス、首・肩など筋肉のコリ・身体全体の疲れを改善することで、よい治療効果が得られます。
鍼治療を行うことにより、眼の周りの筋肉を緩め、血流を促します。血流が良くなることで疲労した筋肉にしっかりと栄養を送ることができ、痛みや疲労の原因となる物質を老廃物として排出されます。
また首肩や全身を治療することにより、自律神経を整えて、脳や目の神経の興奮を抑えます。