流産を繰り返す
流産とは、妊娠中に何らかの異常があり、22週未満で妊娠が終了してしまうこと。
一般的には、妊娠女性のうち10~15%は流産に至ります。またその流産は80%が12週以内に起こっています。
流産(不育症)の原因は、胎児の染色体に原因がある場合、子宮内の環境に原因がある場合の大きく2つが挙げられます。子宮内の環境に原因がある場合、子宮の形態の異常、ホルモン異常、血液凝固異常、免疫の異常、これらが要因となっている可能性があります。
受精卵の段階で何らかの染色体異常が発生する確率は、34歳以下で59%、35~39歳で63%、40~47歳で 74%と女性の年齢が上がるほど、染色体異常が発生する確率が高くなっています。精子も年齢とともに老化して染色体異常が増えるという報告もあります。ですので、卵子の質を上げるとともにホルモンバランスを整える必要があります。
いい卵子とは、きれいに細胞分裂を続けられるエネルギーがあること。そして卵子自体の染色体(DNA)の異常がないことです。染色体の異常がおこる原因もエネルギー不足が関係してきます。
女性の卵は、卵巣の中で卵子の元となる原子卵胞という形で眠っています。排卵する卵は約半年前に原子卵胞から3ヶ月かけて胞状卵胞という卵胞細胞を持っている卵子に変化します。胞状卵胞に変わってからさらに90日(3ヶ月)、生理の周期でいうと3回の生理を経て排卵期の卵子に育って排卵していきます。この3ヶ月(胞状卵胞になってから)が卵の質を決める大事な時期で、この時期にATP(エネルギー)を増やすことができれば、染色体の異常がない良質の卵が育つと言われています。
この周期に排卵する卵は、さかのぼって3ヶ月かけて成熟します。
つまり、3ヶ月後の卵が良質の卵であるためにはATP(エネルギー)を今から増やしていく事が重要になります。
脳の視床下部は、ストレスの影響を受けやすい器官です。家庭、職場、学校などでの精神的ストレスから視床下部の働きが乱され、ホルモンバランスが乱れてしまうことがあります。
ホルモンバランスが乱れることで、黄体機能不全症を引き起こすこともあります。黄体機能不全症は妊娠を継続するためのホルモンが正常に働かない状態です。黄体ホルモン(プロゲステロン)も年齢とともに減少するため、妊娠の成立や継続が難しくなる場合もあります。
そのホルモンを出す指令はどこがコントロールしているのかというと、自律神経がコントロールしています。
ですから、自律神経が整うと自力で自分の体のホルモンバランスが整うことができるので、妊娠しやすい体になっていきます。
血の流れ方や量も、流産(不育症)と関係があります。血は、人体に必要な栄養を運んでくれます。血流(血液の固まりやすさ)と関係が深く、血の流れの停滞が胎児に十分な栄養が届かなくなり、流産の原因となることがあります。また血の量が少ないと子宮内膜が十分厚くならず、流産することもあります。
「妊娠しやすい体質」や「流産しにくい体質」に向けて、ご自身の体質をしっかりと良い状態へ改善していく事がとても大事で、何よりいい結果に結び付くことになります。