梅雨から夏に増える食中毒
食中毒の原因には細菌やウイルスがありますが、梅雨時から9月頃までは高温多湿な状態が続き、細菌がもたらす食中毒が多く発生します。
細菌による食中毒の代表格は、近年、発生件数や重症例が多いことで知られる「カンピロバクター」や「腸管出血性大腸菌(O157など)」によるものです。
食中毒を招く細菌が増殖しても、食べ物の見た目や味は変わらず、匂いもしません。そのため、食事の準備をするときには、細菌を「つけない」「増やさない」、加熱等で「やっつける」を心がけ、食中毒を防ぎましょう。
原因となる細菌と症状
主な原因菌 (カッコ内は潜伏期間)
•カンピロバクター(1~7日)
•サルモネラ(6~72時間)
•黄色ブドウ球菌(1~3時間)
•腸炎ビブリオ(8~24時間)
•腸管出血性大腸菌<O157など>(3~8日)
症状
•腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、発熱など。
食中毒から身を守る予防のポイント
【自宅で】
1.食材の購入・保存
消費期限などを確認する
肉や魚は汁が漏れないよう注意して一つひとつをビニール袋に入れ、できれば氷や保冷剤と一緒に持ち帰る
帰宅後すぐに生鮮食品は冷蔵庫(庫内10度以下)、冷凍食品は冷凍庫(庫内マイナス15度以下)へ入れる
冷蔵庫や冷凍庫は詰め込みすぎないなど
2.下準備・調理
作業の前に石けんで丁寧に手を洗う
台所は清潔に保つよう心がける。特にふきん・タオル類は、頻繁に清潔なモノと交換する
野菜は流水できれいに洗う。また、生の肉や魚、卵をさわった後は丁寧に手を洗う
肉や魚は中まで十分に火を通す(中心部の温度75度で1分以上加熱)
3.食事
食べる前に石けんで手を洗う
清潔な食器に料理をもりつける
温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べる
料理は長時間室温で放置しない消費期限などを確認する
4.残った食品の扱い・後片づけ
残った食品は小分けにし、清潔な容器に保存する。食べる際は十分に加熱する
ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てる。消費期限などを確認する
調理に使ったまな板・包丁は必ず洗って熱湯消毒する
スポンジは洗ってからよく水切りする
【外食時、調理済み食品を購入した場合やバーベキューでは…】
1.生食または生焼け状態のメニューは控える
2.焼き肉や鉄板焼きの場合、生の肉や魚介類を扱う箸と食べる用の箸を使い分けるか、トングを使用する
3.焼き肉や鉄板焼きは中心部まで火を通す
※つけ合わせの野菜も、肉などに触れているので十分に加熱すること
4.食べきれなかった料理は持ち帰らない
5.惣菜や弁当などの調理済み食品はできるだけ早めに食べる
※室温で2時間以上放置しない、「ちょっと怪しい」と思ったら捨てる
賢く、おいしく予防するコツ
食中毒を防ぐには、抗菌、防腐作用に優れた梅干や薬味野菜のシソ、ニンニク、ネギ、香菜、ショウガ、ワサビなどの食品が効果的です。料理にたっぷり添えましょう。
また、免疫力を高めるビタミンB1が含まれる豚肉も、食中毒予防におすすめの食品です。